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 第1回 「あの頃の気持ち」

 先日、東京で仲間達と酒を酌み交わしていた時に友人がふともらした言葉がある。

 「あの部活動に行く前のわくわくした気持ち。もう味わえないのかなー…。」

 僕も部活動が大好きだった。授業も午後になると部活動の時間が待ち遠しくてたまらなかった。そわそわしていた。決して練習が好きだったというわけではない。顧問の先生が好きだったわけでもない。でも、あの空間が好きだった。みんなの笑い声。練習が終わっても先生に「帰れ!」と怒られるまでだらだらと部室でしゃべる。練習を終えて自転車で帰る時の頬にあたる風のなんともいえない心地よさ。大好きだった。

 最近、スポーツがおかしい。子供の体力が年々落ちている。スポーツ少年団でどなりちらす大人、萎縮する子供。そして僕が大好きだった部活動も少子化などの影響で部自体がなくなってきているそうだ。また先生が顧問になりたがらないとも聞く。運動不足が原因での肥満・成人病。また日本のアマチュアスポーツのトップである企業スポーツがどんどんどんどん消えていってる。

 誰が歯止めをかけるのだろう?

 このままだと体力のない子供が増え、不健康な大人が増え、寝たきりの老人もますます増える。企業スポーツがなくなれば、もちろんオリンピックに出場する選手もいなくなる。スポーツにはもう夢も何もないのか。

 僕はSCCという団体を去年の7月に作った。本当のスポーツの姿を追い求めて。下は小学1年生から上は僕の親父と変わらない年齢の方までいる。みんなスポーツが大好きだ。有難いことに週に2回の練習が生きがいだとまで言ってくださる方もいる。普段生意気な小学生も練習の時だけは素直になる。

 そこにはまだあの「部活動に行く前のわくわくした気持ち」が残っている。

                         (SCC代表)