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 第14回 「学校から地域へ」

 七月二十九日(日)の鹿児島新報一面に「学校合同で部活動へ」という記事が掲載された。今、中学・高校の部活動は、少子化や顧問になりたがらない先生の増加により、試合が組めない、または部自体がなりたたなくなるというケースが増えている。 そこで文部科学省が『だったら近隣の学校同士での合同チームを作ってみてはどうか。そしてそれを今後は地域ぐるみのスポーツ活動に発展させていこう』という方針を打ち出した。

 日本においてスポーツとは「教育」である。教育としてのスポーツは非常に盛ん。だから教育期間が終わると途端にスポーツに触れる機会が少なくなってしまう。戦後の高度経済成長時代「働くことが全て」だった日本人にはそれでよかったのかもしれない。

 しかし、豊かになったはずの日本に「遊び」がないことに気付き始めた。余暇時間も増えているはずなのに何故かゆとりがなく遊べないのだ。

 それは一つに遊びの基本である「スポーツ」というものに対して「教育」という概念しか持てない日本人の姿があると思われる。

 まず「学校」という単位でくくられている今のスポーツを、どうにか「地域」と結びつけていかないといけない。地域のみんなで気軽にスポーツができる場を整える。お父さんが会社帰りに居酒屋に行くのを、週に一度は地域スポーツクラブに行くようにする。おじいちゃん、おばあちゃん達が病院に行くのを、週に一度は地域スポーツクラブに行くようにする。ウォーキングでもやればいい。

 これだけで日本は絶対に変わる。スポーツは有効な社会政策になるのだ。

 今まで学校という枠でくくられていたスポーツが、ちょっとづつゆるみはじめている。大きな大きな第1歩である。